大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和50年(オ)839号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人吉岡秀四郎、同井上貫一の上告理由第一点について

賃貸人は、賃貸借契約を解除することなしに無断再転借人に対し物の返還を請求することができるのであるから、被上告人と平田八次の本件土地賃貸借契約の解除が有効か否かは、原判決の結論に影響を及ぼすものではない。論旨は、原判決の結論に影響のない事項を主張して原判決を論難するものであつて、採用することができない。

同第二点、上告代理人井上貫一の上告理由及び上告人の上告状記載の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。また、所論違憲の主張は、具体性を欠き不適法である。論旨は、いずれも採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岸 盛一 裁判官 岸上康夫 裁判官 団藤重光)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例